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理事長所信

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一般社団法人 丹波青年会議所
第53代理事長 瀬川 勝康

 

我々は、誰のために何のために運動を展開しているのでしょうか。

丹波青年会議所は、このまちにとって無くてはならない存在でしょうか。

 

ひかみ青年会議所の設立趣意書には、「我々青年は、次代の担い手としての大きな責任を自覚し、限りない自己の研鑽に励むと共に、明るい豊かな氷上の実現の為の推進力となる。現代は若さを求めており、我々は英知と勇気と情熱をもって地域社会開発の原動力となる」と明記されています。1972年、高い志と強い覚悟をもった53名の若き青年により、日本で512番目の青年会議所として、ひかみ青年会議所はこの地に設立されました。我々が生まれる前に創設された組織であり、時代の流れと共に青年会議所活動への向き合い方も変化してきたのかもしれません。その中で、時代に即した活動環境を整えることは、組織運営において必要なことです。しかし、設立趣意書に込められた言葉や背景にある想いは、現役世代に受け継がれた「使命」であり、我々が大切に守り続けなければいけない「志」だということを忘れてはなりません。そして、長きにわたりそれぞれの時代で起こった社会情勢に向き合い、その時代に応じた運動を展開されてこられた先輩諸兄姉に深い敬意を示し、活動できる環境を支えてくれている身近な人への感謝の気持ちを常に心に留め、このまちにとって「Be Better(よりよくあれ)」の運動を展開していきます。

 

好循環を生み出すまちづくり

青年会議所は、明るい豊かな社会の実現を目指して運動を展開しています。しかし、まちづくりの責任は特定の組織だけで実行するものではありません。では、まちづくりの本来の担い手は誰なのでしょうか。青年会議所や各種団体、市役所や県民局などの行政機関、それとも市民なのでしょうか。まちづくりにおいて重要な役割を果たすのは、青年会議所や各種団体、行政機関、市民など、さまざまな関係者の協力です。行政や各種団体は、独自の政策を検討し、実行に移す役割を担っています。しかし、その成果を成功や失敗の観点から評価するのは市民だけの役割ではないと考えます。私は行政、各種団体、企業、市民が共通のビジョンを共有し、協力してまちづくりを進めることで、地域の持続的な成長が実現できると考えます。行政は都市計画や公共施設、交通網などの分野で、法的規制や政策策定を通じてまちづくりを推進する視点をもっています。同様に、企業は自社の事業展開を進める一方で、雇用の創出や地域経済の成長、社会貢献活動を通じてまちづくりに貢献できる存在です。市民は、まちの課題やニーズを一番深く理解しており、その力がまちづくりに不可欠です。多様な考え方が尊重される現代社会において、さまざまな関係者が特性を活かし、それぞれがもつ専門知識や視点を結集することで、まちづくりへの好循環が生まれ、持続可能な発展への道が開かれます。そして、この協力の中で重要なのは巻き込む力という、リーダーシップが不可欠な存在になることです。

我々は、まちから期待され、応援したくなる運動を展開します。

 

まちの未来を担うリーダーの育成

 

「私が勤める会社は、作業内容を最適化しており生産性が非常に高く、あらゆるデータから事前に危険も予測しております。また、蓄積された膨大な情報を活かして判断も瞬時に出せます。しかし、私の想いや感情的な意見は一切聞き受けてくれません。なぜなら、この会社はAI(人工知能)が全てを判断するからです」こうした組織が将来的には一般的な存在になる可能性があります。組織において指導者の役割は果たして必要なのでしょうか。また、良い指導者とは一体どのようなものなのでしょうか。私は、指導者には2つの要素が不可欠であると考えます。まず、1つ目はビジョンを描き、チーム全体で共感を得ながらゴールに向かう力強いリーダーシップです。2つ目に、個人の特性を理解し適切な役割を与え、一人ひとりが最大限の力を発揮できる環境を整えることです。本来、指導者とは自分の考えを相手に押し付けるのではなく、むしろ相手の成長や発展を常に考慮しながら行動する存在だと私は考えます。育成において重要なのは、相手の考え方や価値観を理解し、将来を見越して寄り添うことです。言い換えれば、優れた指導者とはAIでは代替できない、人間にしかできない役割を担う存在です。長い歴史をもち、地域に深く根ざした運動を展開している青年会議所だからこそ、まちを牽引するリーダーを輩出する組織であるべきだと私は信じています。多くの指導者が活躍し、多様な組織がエネルギッシュに動く未来のまちを想像してみてください。私には、そのような未来を創造する明るい展望があります。

我々は、ボスでは無く、まちに必要なリーダーを育成し輩出します。

世界に挑戦できる青少年の育成

2019年、文部科学省が提唱した「GIGAスクール構想」は、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックを受けて急速に進展しました。現在では、教育現場の机には、鉛筆やノート、教科書と同じように、タブレットが整然と並んでいます。教育においてインターネットを活用することで、教科書には載っていない最新の情報や、辞書とは違ったChatGPTのような多様性に富んだ情報を手に入れることが可能となりました。また、教育現場だけではなく、日常生活の様々な場面でもネット社会が浸透しています。未来に向けて成長する子どもたちは、単なる他人との比較基準としてインターネットを使用するのではなく、その発想力を前向きに利用することが求められます。そして、このような環境で育った子どもたちは、我々が子供の頃には想像もできなかったほど広大な視野で、夢や目標を描くことが可能になりました。子どもたちが輝く目で夢や目標を語るとき、大人が経験してきた確率という名のものさしで「難しい」と決めつけることは容易いことです。確かに、大きな夢ほど大人の経験値は乏しく、その達成確率も低くなります。しかし、大人の役割は答えを提示することではなく、「やってみよう」という体験を提供し、応援する一言をかけることだと思います。子どもたちが目を輝かせながら抱く夢や目標に対して、大人は過去の経験から導かれる確率論に捉われることなく、未知の可能性を信じ、サポートする存在であるべきです。その結果、子どもたちが自信をもち、挑戦を続ける力を育み、新たな未来を切り開いていけると考えます。

我々は、子供が胸を張って夢を語り挑戦できる環境をつくります。

 

戦略的広報を活かした全員拡大

誰もが、自分の生まれ育った故郷や住み暮らすまちをより良くしたいと願うのは当然のことです。しかしながら、実際に行動を起こしてまちづくりに参画する人は少ないかもしれません。また、今の社会はまちづくりに関わる方法が多様で、青年会議所に求められているのは、まちづくりへの参画方法をどのように提供するかです。まず、一人でも多くの人にまちづくりの必要性を伝えることが大切です。その後、我々自身が共感を引き起こす組織であるかどうかが問われます。この2つの段階を順序立てて理解することが重要です。広報活動において鍵となるのは、対象となるオーディエンスを正確に把握し、伝えたいメッセージに合わせて適切な媒体や発信方法を選び戦略的に進めることです。成功する広報活動によって、我々のビジョンや価値観、運動が明確に伝わり、組織のブランディング向上にも繋がるでしょう。私たちは、自身の価値観を押し付けるのではなく、相手の想いを尊重し、広い視野で背中を押せる存在でありたいと考えています。大切なのは、個々の人々が自分自身のまちづくりへのアイデアや情熱をもっていることを理解し、それを尊重することです。我々の役割は、人々が共に協力して地域を発展させる手助けをすることであり、その過程で人々の結びつきや活力を高めていくことです。

我々は、まちづくりの必要性を伝え、まちづくりへの関わり方を提案します。

組織力の向上に交流は欠かせない

 

組織が持続的な成長を遂げるためには、常に組織力を向上させることが欠かせません。そのためには、効果的な交流が重要な要素となります。青年会議所は、行政機関や地域の企業、他団体と良好な連携を築くことで、活動の幅を広げ、社会貢献の機会を増やすことができます。また、お互いにネットワークを拡げ、知識や経験を共有し、Win-Winの関係を構築することで、お互いの成長と発展を促進することが、持続的な組織力の向上には不可欠です。重要なのは、自らの意見に固執せず、他者の意見を柔軟に受け入れることです。そして、特性や専門知識を理解し、お互いの強みを最大限に活かし合うことが求められます。このような相互作用を通じて、より良いアイデアや戦略が生まれ、組織全体の力が向上すると考えます。さらに、好循環の交流は、組織だけでなく、個々のメンバーにとっても価値があります。互いに信頼を築き、コミュニケーションを深めることで、より活動しやすい環境が構築されれば、個人のスキルの向上や成長に繋がり、結果として組織全体の力が向上することになります。そのため、持続的な組織力の向上を達成するためには、良好な連携と交流が欠かせない要素であり、お互いの特長を尊重しつつ、協力し合う姿勢を大切にすることが重要です。

我々は、お互いの組織が発展する相乗効果のある交流を行います。

 

共感を生む組織であり続けるために

 

我々は、自身の意志で青年会議所運動に参画し、限られた時間を活動に捧げています。まちの発展のために自身の時間を使うのは、本当に素晴らしいことです。しかしながら、この環境が当たり前ではないことを決して忘れてはなりません。誰かが家族を守ってくれており、誰かが社業を守ってくれています。その中には、自身の意志で時間を使えなかった人がいるかもしれません。自身の意志で参画したのであれば、限られた時間を最大限に活用し、真剣に明るい豊かな社会の実現に向けた運動を実行する使命があるのではないでしょうか。その先に、周りにいてくれる人の幸せも見えてくるはずです。また、共感を生むためには、育児世代である我々が育児を理解し、同時に青年会議所活動との両立が可能な組織運営も重要です。時には歴史にとらわれず、大胆な決断が必要かもしれません。未来に向かって前進し、新たな展望を切り開くことで、地域社会の発展に貢献できると信じます。周りの人々と協力し、その人々にとっての価値を提供することで、青年会議所の存在意義を強化し続けましょう。

我々は、身近な人に感謝し、周りから感謝される組織になります。

+1TAMBAに込められた想い

 

丹波青年会議所は52年間もの間、問題や課題解決に向けた運動を展開してきました。これはとても有意義な運動であり、この運動がなければ、まちの発展は衰退の一途を辿ることになると思います。しかし、一方で課題ばかりに注力せず、まちの良いところや自慢できるところに質的価値を見出し伸ばしていく運動もまちにとっては重要だと考えております。この想いから、2021年に創立50周年を迎えるにあたり+1TAMBA(呼称:プラスワンタンバ)のビジョンが策定されました。我々は今後も、まちにとって+1になる運動を巻き起こしていく使命を担ってまいります。

我々は、丹波市の+1になる可能性を訴え続ける組織であり続けます。

最後に

 

私は人生において、前もって決まった道や確約された道は存在せず、自分の後ろに生きた証の道ができると考えております。青年会議所には、地域開発、個人開発、国際、ビジネスの4つの機会があり、これらの機会は平等に与えられています。時には壁が高く達成困難な壁に思えることがあるかもしれませんが、「勇気は一瞬、後悔は一生」という言葉が示す通り、一瞬しかないチャンスを掴むために必要なのは、自身の勇気です。まずは自身から積極的に挑戦し、今しかできない経験を積むことが大切です。我々は未来をより良く変える可能性を秘めています。そのために、限られた時間を人のため自身のために有意義に使いましょう。自身の成長がまちの未来を変えます。そして、青年会議所は「できるか、できないか」の可能性を探る場所ではなく、「やるか、やらないか」の挑戦を期待されている場所です。地域社会の開発を牽引する組織として、我々は大胆に若さ溢れる運動を展開していきます。

未来を創るために、私たちの行動こそが力強い変革をもたらすと信じています。

さぁ、魅せましょう 我々の力を。

スローガン,基本理念,基本方針

【スローガン】

進取果敢

 ~個人の成長が組織を、まちを成長させる~

【基本理念】

一、丹波青年会議所の存在意義や価値を理解し発展に努めます

一、好循環を生み出す連携したまちづくりを実行します

一、市民が応援したくなる運動を展開します

一、指導力ある人財を育成し輩出します

一、まちにとって影響力のある組織になります

【基本方針】

一、市民がまちづくりに参画できる環境の創出

一、行政、各種団体との積極的な連携・協力・交流の実行

一、戦略的かつ効果的な広報活動

一、長期的に効果があるLOMブランディングの実行

一、メンバーが活動しやすい環境の構築

一、50周年ビジョン「+1TAMBA」の展開

一、SDGsの実行

一、会員拡大の理解向上及び全員拡大の実行

一、効率的な会議運営の改革と実行

一、OB会員との積極的な交流を実行